媒介業の概要や要件を詳しく解説!!(酒類販売媒介業の免許取得を支援しました)
2023/12/11
最近、酒類販売媒介業免許という珍しい酒販免許の取得サポートを行いました。
そこで、今回は、酒類販売媒介業免許に焦点をあて、「酒類販売媒介業の概要」や「該当する事業の例」、「要件」、「標準処理期間と登録免許税」、「申請に必要となる書類」などを詳しく解説します。
目次
お酒の販売免許の区分
お酒の販売免許については、主に次のように区分されます。
上記の図にある通り、酒類販売業免許は、大きく分類すると、「酒類小売業免許」、「酒類卸売業免許」、「酒類販売代理業免許」、「酒類販売媒介業免許」の4つに分類されます。
このうち、よく当センターでもご支援させていただくメジャーな免許は、「酒類小売業免許」と「酒類卸売業免許」です。
ただし、これらのメジャーな免許以外にも、少し特殊な免許として、「酒類販売代理業免許」と「酒類販売媒介業免許」も存在しています。
これらの免許の概要等を以下で確認します。
なお、小売業免許の区分の詳細は以下の記事をご参照ください。
酒販免許の区分(小売)
また、卸売業免許の区分の詳細は以下の記事をご参照ください。
販売販売免許の区分(卸売)
「酒類販売代理業免許」と「酒類販売媒介業免許」とは?
ここでは、「酒類販売代理業免許」と「酒類販売媒介業免許」の概要を確認します。
酒類販売媒介業免許とは?
酒類販売媒介業免許とは、他人間のお酒の売買取引を継続的に媒介するための免許で、営利を目的としない場合であっても必要な免許とされています。 |
媒介とは、取引の相手方の紹介や、意思の伝達、取引内容の折衝等、その取引が成立するために行う補助行為のことを言うとされています。
詳細は、以下の国税庁サイトをご覧ください。
酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第9条酒類の販売業免許第1項関係4
酒類媒介業免許の詳細
ここからは、「酒類販売媒介業免許」の詳細として、「酒類販売媒介業に該当する事業の例」や「要件」、「標準処理期間と登録免許税」、「申請に必要となる書類」などを確認します。
酒類販売媒介業に該当する事業の例
例えば、次の事業は、媒介業に該当する可能性が高い事業となります。
✓お酒の販売に関するコールセンター(電話での注文受付など) ✓酒類販売のオークション(ヴィンテージウイスキーなどを販売するオークション会場の運営など) ✓海外酒造メーカーが日本国内で酒類販売を行うための販売代理店(注文の取り次ぎなど) |
酒類販売媒介業については、以下の記事もご参照ください。
お酒の販売媒介業免許とは
酒類販売媒介業免許の要件(ハードルが高い)
酒類媒介業免許は、次の通り、取得するための要件が厳しく、「全酒類卸売業免許」や「ビール卸売業免許」と同程度に取得のハードルが高い免許と言われています。 そのため、申請にあたっては、できるだけ酒販免許取得支援の経験が豊富な専門家にご依頼されることをお勧めします。
①経歴及び経営能力等の要件(経験要件)
酒類販売媒介業免許を取得するためには、「経歴及び経営能力等の要件」として、申請事業者(法人の場合は役員)は、経歴等から適正に酒類の媒介業を経営するに十分な知識及び能力を有し、予定している媒介業を確実に行うと認められる必要があります。
なお、次の経歴を有する人は、予定している媒介業を確実に行うと認められる者として取り扱われます。
✓酒類の製造業又は販売業(薬用酒だけの販売業を除く。)の業務に直接従事した期間が引き続き10年(これらの事業の経営者として直接業務に従事した者にあっては5年)以上である人 ✓過去において酒類の媒介業を相当期間経営したことがある人 ✓酒類の副産物、原料、醸造機械等の販売業の業務に直接従事した期間が引き続き10年以上である人 ✓酒類の醸造技術の指導等の経験を5年以上有している人 |
小売業免許のように、所定の研修を受けることで経歴を補完できるような制度はないことから、上記のような経歴が必要であることが初めのハードルとなります。
②取扱能力等の要件
酒類販売媒介業免許を取得するためには、「取扱能力等の要件」として、申請事業者は、次のような取扱能力及び設備を有していると認められる必要があります。
✓取扱能力:年間の平均取扱見込数量が100キロリットル(媒介業の基準数量)以上であること ✓設備:予定している媒介業を継続して営むための「事務所」及び「電話」その他の設備を有し、または有することが確実と認められること |
③ポイント
免許取得を検討する場合には、その事業を計画する時点で、免許要件をクリアできるように事業スキームを構築することがポイントとなります。
なお、事業スキームを少し変えることで、酒類販売媒介業免許ではなく、一般的な小売免許・卸売免許の取得で済む可能性もあることから、事業計画の策定にあたっては、免許要件を意識して慎重に行うことをお勧めします。
酒類媒介業免許の申請に必要となる書類
酒類媒介業免許の申請にあたっては、通常の酒類販売免許の添付書類に加えて、次の書類も必要となります。
①事業のスキーム図 ②業務委託契約書 ③取引承諾書(取扱見込数量を記載したもの) |
①事業のスキーム図
媒介業に該当することを説明するための書類として、事業のスキーム図が必要となります。
スキーム図には、お酒の売買取引をどのように媒介するのか、事業全体の登場人物や、お酒の流れ、お金の流れなどの商流(折衝や受注、納品、請求、決済など)を記載することがポイントです。
②業務委託契約書
事業のスキーム図を補完する書類として、媒介の依頼者と媒介者(媒介業免許の申請者)との業務委託契約書が必要となります。
③取引承諾書(取扱見込数量を記載したもの)
酒類媒介業免許の取扱見込数量が100キロリットル以上であることの根拠として、取扱見込数量を記載した取引承諾書が必要となります。
この取引承諾書は、原則として、お酒の販売事業者と購入事業者のそれぞれから取得し、署名捺印をしてもらいます。
なお、税務署の審査においては、添付した取引承諾書に係るお酒の販売事業者の過去の販売実績から、取扱見込数量が妥当かどうかのチェックをされることから、なるべく過去の販売実績数量の多い販売事業者から取引承諾書を取得することがポイントです。
酒類媒介業免許を取得すると、上記のような免許が付与されることとなります。
まとめ
今回は、酒類販売媒介業免許に焦点をあて、「酒類販売媒介業の概要」や「該当する事業の例」、「要件」、「標準処理期間と登録免許税」、「申請に必要となる書類」などを詳しく解説いたしました。
酒類販売業免許は大きく分類すると、「酒類小売業免許」、「酒類卸売業免許」、「酒類販売代理業免許」、「酒類販売媒介業免許」の4つに分類されます。
これらの中の、「酒類販売媒介業免許」は、少し特殊で、取得するための要件は厳しく、取得のハードルが高い免許です。
また、酒類販売媒介業免許を確実に取得するためには、税務署との事前相談が必須です。
そのため、申請にあたっては、できるだけ酒販免許取得支援の経験が豊富な専門家にご依頼されることをお勧めします。
東京酒類販売免許取得サポートセンターでは、元酒類指導官付職員が代表を務める行政書士事務所が展開する「お酒の免許取得申請手続きの支援に特化したサポートサービス」を提供しています。
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