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酒税法におけるお酒の分類(種類・品目)

酒税法におけるお酒の分類(種類・品目)

2022/06/24

酒税法におけるお酒の品目の定義は、世間一般で使用されている用語と必ずしも一致しません。

例えば、第三のビールは、製造手法等によって、酒税法上のビールではなくリキュールに該当するケースがあります。

お酒の販売業免許によっては、販売可能なお酒がこの酒税法上の品目で制限されるため、品目の理解不足によっては、意図せず、販売できない品目のお酒を販売してしまうことがあり得ます。
この場合、無免許販売になり、最悪のケースでは、罰則・罰金の対象や免許が取り消される可能性もあります。

 

そこで、今回は「酒税法における酒類の分類及び定義」や「主なお酒の酒税法における品目や製造方法」について解説します。

 

 

1.酒税法における酒類の分類及び定義

 

酒税法上のお酒は、その製造製法や性状に着目して、「発泡性酒類」、「醸造酒類」、「蒸留酒類」及び「混成酒類」の4種類に大きく分類されます。

そして、この分類ごとに異なる税率を適用することを基本としています。
さらに、4種類に大きく分類されたお酒は、17品目に区分されます。

 

①酒税法における酒類の分類

 

まず。酒税法における酒類の分類は下表の通りです。

 

種類

品目

発泡性酒類

ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類(ビール及び発泡酒以外の酒類のうちアルコール分が11度未満で発泡性を有するもの)

醸造酒類 ※

清酒、果実酒、その他の醸造酒

蒸留酒類 ※

連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、

スピリッツ

混成酒類 ※

合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒

※ その他の発泡性酒類に該当するものは除かれます。

 

引用:酒税法における酒類の分類及び定義

 

 

②酒税法における酒類の品目の定義

 

酒税法における酒類の品目の定義は下表の通りです。

 

品目 定義の概要

清酒

✓ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させてこしたもの(アルコール分が22度未満のもの)

✓米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させてこしたもの(アルコール分が22度未満のもの)

合成清酒

✓アルコール、焼酎又は清酒とぶどう糖その他政令で定める物品を原料として製造した酒類で、その香味、色沢その他の性状が清酒に類似するもの(アルコール分が16度未満でエキス分が5度以上等のもの)

連続式蒸留焼酎

✓アルコール含有物を連続式蒸留機により蒸留したもの(アルコール分が36度未満のもの)

単式蒸留焼酎

✓アルコール含有物を連続式蒸留機以外の蒸留機により蒸留したもの(アルコール分が45度以下のもの)

みりん

✓米、米こうじに焼酎又はアルコールを加えてこしたもの(アルコール分が15度未満でエキス分が40度以上等のもの)

ビール

✓麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの(アルコール分が20度未満のもの)

✓麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもので、下記の条件を満たすもの(アルコール分が20度未満のもの)

✓上記に掲げるビールにホップ又は政令で定める物品を加えて発酵させたもので、下記の条件を満たすもの(アルコール分が20度未満のもの)

(条件) 麦芽比率が100分の50以上であること並びに使用した果実(乾燥したもの、煮詰めたもの又は濃縮した果汁を含む。)及び一定の香味料の重量が麦芽の重量の100分の5を超えない(使用していないものを含む。)こと

果実酒

✓果実を原料として発酵させたもの(アルコール分が20度未満のもの)

✓果実に糖類を加えて発酵させたもの(アルコール分が15度未満のもの)

✓上記に掲げる果実酒にオーク(チップ状又は小片状のもの)を浸してその成分を浸出させたもの

甘味果実酒

✓果実酒に糖類又はブランデー等を混和したもの

ウイスキー

✓発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの

ブランデー

 

✓果実若しくは果実及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの

✓果実酒にオーク(チップ状又は小片状のもの)を浸してその成分を侵出させたものを蒸留したもの

原料用アルコール

✓アルコール含有物を蒸留したもの(アルコール分が45度を超えるもの)

発泡酒

✓麦芽又は麦を原料の一部とした酒類で発泡性を有するもの(アルコール分が20度未満のもの)

その他の醸造酒

✓穀類、糖類等を原料として発酵させたもの(アルコール分が20度未満でエキス分が2度以上のもの)

スピリッツ

✓上記のいずれにも該当しない酒類でエキス分が2度未満のもの

リキュール

✓酒類と糖類等を原料とした酒類でエキス分が2度以上のもの

粉末酒

✓溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のもの

雑酒

✓上記のいずれにも該当しない酒類

 

引用:酒税法における酒類の分類及び定義

 

 

2.主なお酒についての「酒税法における品目」や「製造方法」は?

 

主なお酒(日本酒、焼酎、ワイン、ビール)について、酒税法における品目や製造方法を以下において確認します。

 

①日本酒

 

日本酒は、酒税法の醸造酒類に分類され、その品目は清酒になります。

この日本酒は、米(蒸米)と米麹と水を原料にアルコール発酵させて作ります。

なお、主原料であるお米に糖分がないことから、米のデンプンを米麹によって糖に変え、同時に糖を酵母の働きでアルコール発酵が行なわれる「並行複発酵」が行われますが、これは世界的に珍しい発酵方法です。

 

 

②焼酎

 

焼酎は酒税法の蒸留酒類に分類され、その品目は製造方法により、「単式蒸溜しょうちゅう」「連続式蒸溜しょうちゅう」かのいずれかになります。

 

単式蒸留とは、昔ながらの蒸留器を用いた蒸留方法で、釜にもろみを入れ加熱し、揮発したアルコールを冷却装置に通すことによりアルコールを取得する一連の流れで単式蒸留器を使います。単式蒸留で造られた焼酎は乙類焼酎や本格焼酎と言われます。

 

また、単式蒸留には常圧蒸留方式と減圧蒸留方式があります。

常圧蒸留方式では通常の気圧のもとでもろみを高い温度で蒸留して沸騰させるため、蒸留されたお酒は原料の風味がそのまま移ることになり、濃厚な味わいになります。そのため、この手法は芋焼酎や泡盛に使用されます。

減圧蒸留方式は、常圧蒸留方式よりは近代的な蒸留方法で、蒸留器の中の圧力を下げることによって沸点を下げることで、低沸点の成分のみを焼酎に移すことができ、とても飲みやすい味わいになります。そのため、この手法は麦焼酎や米焼酎などで使われることが多いです。

 

連続式蒸留とは、塔のような高さのある複雑な形状の連続式蒸留器を用いた蒸留方法で、1度だけ蒸留を行う単式蒸留とは違い、多階段による蒸留を行うことで、純粋なアルコール(アルコール度数は95%以上)を精製することができます。

連続式蒸留で造られた焼酎は、甲類焼酎と言われます。

連続式蒸溜しょうちゅうは風味がほとんどないクリアな味わいのため、酎ハイやサワー、カクテルとして飲むことに向いています。

 

 

③ワイン

 

ワインは、酒税法の醸造酒類に分類され、その品目は一般的に果実酒になります。ただし、ワインに蒸留酒を加えて造る酒精強化ワイン(スペインのシェリー等)やワインにハーブやスパイスを浸漬させたもの(イタリアのヴェルモット等)は甘味果実酒になることから注意が必要です。

 

赤ワインは皮の色が濃い黒ブドウを原料に、ブドウの果実を丸ごとアルコール発酵させて作ります。皮ごと使用することで皮の色素が赤ワインの色になり、皮に含まれる“タンニン”が溶け出して独特の渋みが生まれます。

一方で、白ワインは破砕のあと、圧搾工程でぶどうカスを分けた果汁をアルコール発酵させて作ります。そのため、白系統の色合いで、すっきりした味わいのワインに仕上がります。

 

 

④ビール

 

商品として流通しているビールと呼ばれるものは、酒税法上次のいずれかの取扱いになります。

・酒税法の発泡性酒類に分類され、品目はビールまたは発泡酒

・いわゆる第三のビールで、発泡酒に麦由来のスピリッツなどを加えたものは、酒税法の混成酒類に分類され、品目はリキュール

 

上述のビール・発泡酒の品目の定義を簡単に言うと、ビールは麦芽、ホップ及び水のみを原料としたもので、発泡酒はビールと比べ麦芽比率が低いものを言います。

 

ビールは、麦芽(発芽した大麦を乾燥・焙煎させたもの)とホップと水と酵母を原料にアルコール発酵させて作ります。

 

 

3.まとめ

 

以上、今回は「酒税法における酒類の分類及び定義」や「主なお酒の酒税法における品目や製造方法」について解説させていただきました。

酒税法における酒類の分類及び定義は非常に複雑なので、販売免許に関するお酒の品目でお困りの場合には、東京酒類販売免許取得サポートセンター等の専門家にご相談されることをお勧めします。

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